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10月号「代償分割について」

2024.10.01 ニュース

亡くなられた方の遺産を複数の相続人で分割する際、分けづらい財産が遺産の大半を占めている場合など、(例えば、遺産の大半を実家(不動産)が占めている場合)に、不動産を相続することになった相続人が、他の相続人に対して現金などを支払うことで相続のバランスをとる方法をいいます。この方法を、代償分割といいます。

そもそも、遺産分割の方法は、大きく分けて次の4つの方法が挙げられます。

 ① 現物分割・・・遺産をそのままの状態でそれぞれ分ける方法。

 ② 換価分割・・・遺産を売却した後に、その代金を分ける方法。

 ③ 代償分割・・・特定の相続人が遺産を相続し、他の相続人にお金(代償金)を渡す方法。

 ④ 共有分割・・・複数の相続人が遺産共有して相続する方法。

この中でも、まずおすすめしない方法は④共有分割です。例えば土地を共有で相続した場合、共有者はそれぞれその土地を利用できます。しかし、共有者の1人がその土地に建物を建てて住みたいと思った場合や、売却したいと思った場合には、他の共有者の同意が必要(民法251条1項)ですが、同意が得られないことがあります。また、次の相続の際、相続人が増えてうまく話し合いがつかないなど、揉めごとの原因にもなりますので、要注意です。

望ましいのは、現預金などが遺産の大半を占めている場合なのですが、普通のご家庭の場合は、なかなかそうはいきません。多くの方は、現預金が遺産に占める割合は不動産よりも少ないのが現状です。特に、被相続人の自宅の土地建物に同居していた相続人は自分が相続して住み続けたいと思うでしょう。また、事業をされていた方の場合には、被相続人が会社の経営権である自社株式の過半数を所有されている場合が多く、後継者の相続人が自社株式を相続したいと願っても、その評価額が高い場合もあり、他の相続人とのバランスが取れなくなってしまうこともあります。

このように相続財産の中に分けづらい財産がある場合には、③代償分割にて遺産分割の公平を図ることをご検討されると良いと思います

なお、自社株式の移転(贈与・相続)については、事業承継税制という国の制度を利用することもできます。

ここで注意が必要なのは、代償分割は、現金で支払わなければ所得税の課税関係が生じるということです。代償として例えば、一旦相続した土地の一部を渡すと、時価での不動産の所有権移転を伴うため、譲渡所得税が課税されてしまいます。

代償金をすぐに支払うことができなければ、相続人間での話し合いにより分割で支払うことも可能ではありますが、支払いが滞るというような後々トラブルになる可能性もあります。

このようなことも念頭に入れて、相続人間のバランスをとり、トラブルにならないように配慮した遺言書を作成する方法が有効です。特に、遺したい財産を特定の相続人に確実に遺してあげたい場合には、尚更のことその相続人が困らないようにしておくことも大切だと思います。

何をどのようにすればいいのかお困りの方もいらっしゃると思います。まずは気軽にご相談ください。

ワンストップ相続のルーツ

代表 伊積 研二

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