セミナー情報

5月号「空き家と相続」

2024.05.01 ニュース

昨年12月に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」(以下、改正法)をご存知でしょうか。ニュース等でご存知の方もいらっしゃると思いますが、改正法のポイントとしては次のとおりです。

まず、空き家の所有者の責任が強化されることになり、これまでの「適切な管理の努力義務」に加え、所有者に国や自治体の施策に協力する努力義務が追加されることになりました。

また、空き家の管理確保として、放置をすれば特定空家になるおそれのある空き家(管理不全空家)に対しては、管理指針に即した措置を市区町村長から指導・勧告がなされ、勧告を受けた管理不全空家についての固定資産税の住宅用地特例(6分の1に減額)が解除されます。

さらに、勧告等の円滑化のため、市区町村長が空き家の調査をすることができ、代執行の円滑化のため、命令等の事前手続を経るいとまがない場合に緊急時の代執行をすることができるとする、特定空家の除却が認められることになります。

加えて、空き家の活用拡大なども改正法に盛り込まれています。

空き家の所有者になるきっかけとしては、相続が最も多く54.6%です。相続人がすでに家を所有している場合が多く(2人以上世帯の持家率は68.1%(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査「2人以上世帯調査」2022年」より))、また、相続人が遠方に居住している場合は空き家を日常的に管理することが難しく、いずれも空き家の管理が心配です。人が居住しなくなった家は、住宅の腐朽や破損が進行しやすく、周辺環境にも悪影響を及ぼしうるので更に管理面の負担が増えます。また、空き家の所有者は65歳以上と高齢の方が多くなっているのが現状で、体力的にも管理の心配事が増えます。

しかし、改正法では、前述のとおり、空き家の所有者の責任強化、空き家の管理確保の措置など、所有者の責任がより一層強化されています。日頃から適切な管理に努めたいところですが、適切な活用方法も含めて空き家について今後どのようにするのか(売買が可能であれば売買、更地にする、状態が良ければ第三者に賃貸する等)も含めて早めに検討されることをお勧めいたします。

また、相続に関しては、自宅を所有されている方や、先祖代々から受け継ぐ土地建物を所有されている方は、誰にどのように引き継がせたいのか、その思いは実現可能なのかなども含めて考えをまとめ、思いを形にされておくこと(遺言書の作成)や、生前に売買して現金化しておくなどのひと工夫で、残された相続人が困らないようにしておくことも大切なことだと思います。

空き家と相続は意外と身近な関係です。ご自分が亡き後の自宅を特定空家にしないためにも、相続人の置かれている現状を踏まえて、誰に相続させたいのかを考えるきっかけになれば幸いです。

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